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人として。

気分が落ち込んだ日は、好きな映画を観て、泣いたり笑ったりして感情を吐き出して気晴らしをする。

今日観た映画は「ジョニーは戦場へ行った」。もちろん、泣くために観た。
はっきり言って元気になる映画などではない。むしろ逆で、初めて観るとどん底まで落ち込んでしまうような重たい反戦映画だ。でも、僕はこの映画が好きだ。

ジョニーは戦場で爆撃にあい、手足はおろか目耳鼻口をも失ってしまう。かろうじて生殖器が残り頭が動くだけ。軍医たちはそんな彼を、将来の科学技術のための実験体として存命させる。
軍医は言う。彼には意識は無く、反射運動として体が動くのみだ、と。
だが彼には意識が、皮膚の感覚があった。考えることも、夢を見ることもできた。出征前、家族や恋人とすごした日々を思い、どうかこの、手も足も無い姿となってなお、軍によって生き続けさせられている今の自分が夢であってほしいと心で叫ぶ。
もし自分がジョニーの立場だったら、などと単純に感情移入さえ出来ないような壮絶な状況だ。

僕も、外界と長く離れていたこともあったが、好きなときに外へ出て、誰とでも話すことも出来た。

ジョニーは違う。

目が無いから何も見えない。口が無いから話せない。足が無いから歩くことが出来ない。手が無いから、悲観して命を立つことも出来ないのだ。

こんなこと、誰にも想像が出来ないだろう?実際にこんなことになったら、どうなるんだろう。孤独や不安や恐怖や、全ての負の感情が一気に押し寄せおかしくなってしまいはしないか。

ジョニーは、それでも残った機能でそれらの感情を克服しようとした。物の振動や気配、皮膚感覚を駆使して。
そうして少しづつ、わずかずつ希望を手に入れることが出来た。
太陽の光が顔に差し込む感覚がわかる。昼と夜がわかれば日を数えることが出来る。
ジョニーに献身的な看護婦が、胸に文字を書いてくれた。メリー・クリスマス。

ジョニーは叫ぶ。
わかるよ、看護婦さん、メリー・クリスマス!メリー・クリスマス!

僕はこの場面がすごく好きで、そして切ない。ついに、一方通行ながら気持ちが伝わった場面。孤独から開放された瞬間だ。
皆はジョニーがもはや廃人でコミュニケーションが取れないと思っている。それでも看護婦は胸に文字を書いた。
それは、確信があったからではないだろう。もっと単純な気持ち。

ジョニーを人としてみていた証拠なのだ。気持ちの伝わる、人として。
息をしているだけの肉の塊、ではなく。

この気持ちなのだ。人は物ではなく、人は人である、ということ。相手のリアクションは返ってこなくても、自分の気持ちは伝わっているのだ、という考え方。僕にはこの気持ちがすごくよく分かるのだ。
一生懸命にお世話をしても何の反応もなくても、あきらめたり、どうせわかってないんだろ?と決めつけてはいけないのだ。その気持ちは、表に現れないだけで、きっと伝わっている。それが、人として相手を看護するということなのだ。看護、という言葉は映画の中で将軍が使った言葉だが、こういった本人はその言葉の本質をわかっていない。

結局このシーンの後ジョニーは喜びから一転、戦争の現実に引き戻される夢を見てそのまま一気に絶望的なラストへ向かう。
この絶望感も、余韻がいつまでも残るものだ。これほどまでの絶望、恐怖、不安を観る者に見せ付けたまま終わる映画を僕は知らない。半端な悲劇物、反戦物とはわけが違う。どこまでも重いのだ。

僕の中ではクリスマスのシーンが印象的で、忘れられない一本となっている。
本当は反戦がテーマのこの映画だが、それと共に、人として生きる、生かすことの尊さを考えさせる映画だと思う。
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